【Unity】インベントリアセットの選び方と比較|無料・グリッド型・RPG向けの5本

アイテム欄は、ゲームを作り始めてから想像以上にふくらむ部分です。最初は「拾ったものを並べるだけ」のつもりでも、重ねて持つ、装備する、店で売る、セーブする……と仕様が増えるたびに作り直しが発生します。

この記事では、Unityのインベントリアセットを「どこまで任せたいか」という視点で5タイプに分け、2026年10月時点の価格・対応バージョン・向いているゲームを比べます。読み終わるころには、自分のゲームに合う1本と、買う前に確かめておくべき点がはっきりするはずです。

なお、インベントリ以外の定番アセットもまとめて知りたい人は、先にこちらの40選を眺めておくと比較の目が養われますよ。

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インベントリアセットは「どこまで任せるか」で選ぶ

Asset Storeで「inventory」と検索すると、数百円のものから1万円を超えるものまでずらりと並びます。名前もよく似ているので、価格や星の数だけで選ぶと失敗しがちです。

選ぶ前に決めておきたいのは、インベントリのどの層をアセットに任せるか、という点。インベントリはざっくり分けると次の3層でできています。

  • データの層:アイテムの種類、所持数、重ねられる上限、装備できる部位など
  • 見た目の層:スロットの並び、ドラッグ&ドロップ、ツールチップ
  • つながる機能:セーブ、ショップ、クラフト、ドロップ(ルート)、ホットバー

全部を1本で済ませたいのか、データだけ借りてUIは自作したいのか。ここが決まると候補が一気に絞れます。「全部入り」ほど覚えることが多く、「部品だけ」ほど自分で書く量が増える、というトレードオフだと考えてください。

買う前に確認したい4つのポイント

1. 使っているUnityのバージョンに対応しているか

インベントリはUI・入力・セーブにまたがるので、Unityのバージョンアップで壊れやすいジャンルです。ストアページの右側にある互換性の欄で、テスト済みのUnityバージョンを見ておきましょう。最終更新が2021年や2023年で止まっているアセットは、Unity 6で動いたとしても、不具合が出たときに直してもらえる見込みは薄くなります。

2. セーブの仕組みとぶつからないか

意外と見落としやすいのがここ。インベントリアセットの多くは独自のセーブ機能を持っています。すでに Easy Save や自作のJSONセーブを使っている場合、二重管理になってしまうことも。「インベントリの中身だけを書き出せるか」をドキュメントで確認しておくと安心です。セーブの基本的な考え方は、こちらの記事が参考になります。

3. ゲームパッドやスマホで操作できるか

マウスでのドラッグ&ドロップを前提にしたアセットは、ゲームパッドで操作しようとすると急に不便になります。コンシューマー風のゲームやスマホ向けなら、コントローラーやタッチへの対応が説明文に書かれているかを確かめてください。

4. 学習コストに見合うか

高機能なアセットほど、最初の1つのアイテムを表示するまでに時間がかかります。小さなゲームに大型のフレームワークを入れると、作る時間より覚える時間のほうが長くなりかねません。最初はここでつまずきやすいので、デモシーンやドキュメントが公開されていれば、購入前に一度目を通しておくのがおすすめです。

インベントリアセットおすすめ5本をタイプ別に比較

ここからは、タイプの違う5本を紹介します。価格はすべてUSDで、2026年10月時点のストア表示です。

1. Ultimate Inventory System(全部入りタイプ)

Opsive製の、インベントリまわりをほぼ丸ごと引き受けてくれるフレームワークです。価格は90ドル、評価は73件で星5(2026年10月時点)。最新版の1.3.10は2026年9月に公開されていて、互換性の欄には Unity 2022.3 系と Unity 6.3・6.5・6.6 が並んでいます。

ストアの説明では、アイテムの管理に加えてクラフト、アイテムの強化、ショップ、複数の通貨、セーブ/ロード、ローカライズ、ホットバー、画面分割、コントローラー操作、テトリスのような形のあるアイテムまで対応しているとのこと。2Dと3Dの両方、モバイルにも対応すると書かれています。

向いている人: RPGやサバイバルのように、アイテムがゲームの中心になる中〜大規模の作品。同じOpsiveのキャラクターコントローラーと組み合わせたい人。

気をつけたい点: レビュー欄では「初心者向けではない」という声や、ドキュメントがもう少し欲しいという声が見られます。開発元も返信のなかで、差し込めばすぐ動く道具ではなく柔軟なフレームワークだと説明していますね。また、1.3 から導入先が Assets フォルダではなく Packages フォルダに変わったため、古いバージョンから更新するときは手順書を読んでから作業してください。

クラフトや通貨の部分は、このブログの別記事でも同じアセットを取り上げています。気になる機能があれば、あわせてどうぞ。

2. Inventory 2(Game Creator 2のノーコード拡張)

コードを書かずにゲームを組み立てるツール「Game Creator 2」のモジュールです。Bag(かばん)というコンポーネントをプレイヤーや宝箱、敵に付けるだけで、持ち物・宝箱の中身・倒した敵の戦利品を同じ仕組みで扱えます。

説明文によると、重ねて持てるアイテム、クラフト、商人との売買、複数の通貨、ランダムなドロップ表、ソケット(宝石をはめるような拡張)、セーブ/ロードに対応。価格は79.99ドルで、評価は41件で星5です。

向いている人: すでに Game Creator 2 を使っている人、プログラミングより企画や見た目づくりに時間を使いたい人。

気をつけたい点: 単体では動かず、Unity 6.3 以降と Game Creator 2 本体(別売り・79.99ドル)が必要です。これから始めるなら合計で約160ドルになるので、Game Creator 2 自体を使うかどうかから考えたほうがいいと思います。

3. Master Inventory Engine Pro(RPG・ローグライク向け)

ハクスラやローグライクのような「拾ったアイテムの数値が毎回ちがう」ゲームに強いアセットです。ストアの説明には、ランダムな性能のアイテム生成、ドロップ率を決められるルートパック、クラフト・強化・ソケット・エンチャント、スキルをホットバーに置く仕組み、NPCを商人にする機能が並んでいます。

価格は99ドル、評価は26件で星5。互換性の欄は Unity 6.3(6000.3.12f1)です。Pro版ではデータがすべて ScriptableObject で管理されるようになり、バフやデバフ、継続ダメージを扱う専用の仕組みも加わったと説明されています。

向いている人: ディアブロ風のアクションRPG、ローグライト、商人との取引があるRPGを作る人。

気をつけたい点: 旧版の「Lite」(69ドル)も販売されていますが、ストアページでは保守のみの状態と明記されていて、新しいプロジェクトにはPro版をすすめています。名前が似ているので、買うときは「Pro」の文字を確認しましょう。

4. Grid Inventory System(グリッド型・テトリス風)

マス目の上に、大きさの違うアイテムを詰めていくタイプのインベントリに絞ったアセットです。サバイバルゲームの「リュックにどう詰めるか」を楽しませたいときの選択肢になります。

ストアの説明では、Unity UI の Image を使ってCanvasの下にグリッドを自動で作る仕組みで、空のGameObjectにスクリプトを1つ付ければ準備が終わる、とのこと。価格は39.99ドル。最新版2.2.0は2026年6月公開で、互換性の欄には Unity 2022.3 と Unity 6.5 があります。

向いている人: 見た目と操作感はグリッド型にしたいけれど、ショップやクラフトまでは要らない人。

気をつけたい点: 2026年10月時点で評価はまだ付いていません。機能を絞ったアセットなので、装備による能力値の変化やセーブは自分で用意する前提で考えておくと、買ってからのギャップが少なくなります。

5. Smart Inventory System(無料・データ部分だけ借りる)

2026年9月に公開されたばかりの無料アセットです。特徴は「すでにあるプロジェクトに溶け込むこと」を目標にしている点。中心のロジックは UnityEngine に依存しない素のC#で書かれていて、その上に薄いコンポーネント、差し替え可能なuGUIの画面、セーブ用のデータを渡すだけの層が乗る作りになっています。

説明文によると、アイテムはIDで呼び出すので ScriptableObject の名前を変えてもセーブデータが壊れないとのこと。装備欄も「部位の制限が付いたふつうの入れ物」として扱うため、ドラッグ&ドロップやセーブがそのまま使えます。

向いている人: UIやセーブは自分の仕組みを使いたい人。インベントリのコードの書き方を、きれいな設計の見本から学びたい人。

気をつけたい点: クラフト、商人、ドロップ表、耐久度、ホットバー、ゲームパッド操作は「この版では入れていない」と明記されています。評価もまだ1件だけです。無料でもう少し実績のあるものを探すなら、評価17件の「XEntity – Inventory & Item system」も候補ですが、こちらは最終更新が2023年9月なので、Unity 6で使うなら動作確認は自分でする必要があります。

インベントリアセット5本の比較表

名前 タイプ 価格(USD) 互換性の欄のUnity セーブ
Ultimate Inventory System 全部入り 90 2022.3 / 6.3〜6.6 あり
Inventory 2 ノーコード(要Game Creator 2) 79.99+本体79.99 6.3〜6.6 あり
Master Inventory Engine Pro RPG・ローグライク 99 6.3 説明文で要確認
Grid Inventory System グリッド型 39.99 2022.3 / 6.5 自分で用意
Smart Inventory System データ部分のみ 無料 6.5 データを渡すだけ

※価格・評価・対応バージョンは2026年10月時点のストア表示です。セールで変わることがあるので、購入前に各ストアページで確認してください。

5本のうち、セーブまで面倒を見てくれるのは上の2本。下の2本は「インベントリの形」だけを任せて、残りは自分で組む前提のアセットです。真ん中の Master Inventory Engine Pro は、RPGの経済まわりを丸ごと任せたい人向けの位置づけですね。

目的別|どのインベントリアセットを選ぶ?

  • アイテムがゲームの主役、機能を後から足していきたい → Ultimate Inventory System
  • コードは書かずに作りたい、Game Creator 2を使っている → Inventory 2
  • ハクスラやローグライクで、ドロップと強化を作り込みたい → Master Inventory Engine Pro
  • リュックに詰めるサバイバル風の見た目にしたい → Grid Inventory System
  • お金をかけずに、データの部分だけ借りたい → Smart Inventory System

個人的には、初めてインベントリのあるゲームを作るなら、小さめのアセットか自作から入るほうが失敗が少ないと思います。全部入りのフレームワークは、「どの機能が自分のゲームに必要か」が分かってから選んでも遅くありません。

通貨やショップの部分だけを先に決めたい場合は、通貨システムを比べたこちらの記事も役に立ちます。

インベントリアセットを入れるときの注意点

  • 入力の方式をそろえる: 古い Input Manager 前提のアセットを、Input System だけを有効にしたプロジェクトに入れると、クリックやキー操作が反応しないことがあります。Project Settings の Player にある Active Input Handling を確認しましょう。
  • TextMeshProの準備: UIの文字に TextMeshPro を使うアセットでは、Window > TextMeshPro > Import TMP Essential Resources を先に実行しておかないと、デモの文字が表示されません。
  • セーブを1か所にまとめる: アセットのセーブと自分のセーブを両方動かすと、ロードしたときに所持品が二重になったり消えたりします。どちらを正にするかを最初に決めておくのがコツです。

大きなアセットを入れる前は、プロジェクトを丸ごとバックアップしておくと安心です。安全な取り込み方はこちらにまとめています。

ほかのインベントリ系アセットを自分で探したいときは、「grid inventory」「equipment」「loot table」のような英語で検索すると見つけやすくなります。検索語の一覧は英語検索キーワード集に載せています。

高めのインベントリアセットはセールを待つのも手

今回の5本のうち、Ultimate Inventory System と Master Inventory Engine Pro は約90〜100ドルと、気軽に試せる値段ではありません。こうした大型のツール系アセットは、Asset Storeの大型セールで割引の対象になることがよくあります。

今すぐ必要でなければ、まずは無料の Smart Inventory System や自作で試作を進め、仕様が固まったところでセールに合わせて買う、という順番も現実的です。開催中・開催予定のセールは、こちらで毎月更新しています。

まとめ

インベントリアセットは、性能の高さよりも「自分のゲームのどこまでを任せたいか」で選ぶと失敗しにくくなります。全部入りなら Ultimate Inventory System、ノーコードなら Inventory 2、ハクスラ系なら Master Inventory Engine Pro。グリッドの見た目だけ欲しいなら Grid Inventory System、データだけ借りるなら無料の Smart Inventory System です。

どれを選ぶにしても、互換性の欄にあるUnityのバージョン、セーブの扱い、操作デバイスの3つは購入前に確かめておきましょう。値段が気になるアセットは、Asset Storeのセール情報をチェックしてから買うのがお得ですよ。

著者プロフィール
うんくん

IT系に特化した記事がメインです。(Unity多め。)
Udemy講師もやっています。よろしくお願いします。

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