Unityでゲームを作っていると、カメラまわりでこんな悩みが出てきませんか?
- プレイヤーを追いかけるカメラがカクカクする、壁にめり込む
- Cinemachineを入れてみたけど、何ができて何ができないのかよく分からない
- 有料のカメラアセットを買うべきか、無料の機能で十分なのか迷っている
カメラはプレイヤーが一番長く見ている部分なので、出来がそのままゲームの遊びやすさにつながります。いっぽうで、自作すると細かい調整にかなりの時間を取られる部分でもあります。
この記事では、まず無料で使えるUnity公式のCinemachineでどこまでできるかを整理し、そのうえで「こういうゲームなら有料アセットを足すと楽になる」というカメラ制御アセットを紹介します。
カメラ以外にも、開発を楽にしてくれる定番アセットはたくさんあります。人気アセットをまとめて知りたい人は、こちらもチェックしてみてください。
まずはCinemachineで足りるかを確認しよう
結論から言うと、多くのゲームはCinemachineだけでカメラ制御の基本をまかなえます。有料アセットを探す前に、まずはCinemachineで試してみるのがおすすめです。
Cinemachineとは
CinemachineはUnityが公式に提供しているカメラ制御のパッケージで、無料で使えます。以前はAsset Storeで配布されていましたが、現在はAsset Store版は非推奨になっていて、Package Manager(Unity Registry)から入れるのが正しい入手方法です。
Unity 6 や Unity 2022.3 で使う場合は、Cinemachine 3 系が入ります。3 系では「Virtual Camera」が「Cinemachine Camera」という名前に変わるなど、古い解説記事とコンポーネント名が違う部分があるので注意してください。
Cinemachineでできること
- プレイヤーを滑らかに追いかける・注視する(Follow / Look At)
- 複数のカメラを切り替え、その間を自動でなめらかにつなぐ(ブレンド)
- カメラが決められた範囲の外に出ないようにする(Confiner)
- 壁や障害物にめり込まないようにする(Deoccluder / Decollider)
- 爆発や着地のときに画面を揺らす(Impulse)
- 決めたルートに沿ってカメラを動かす(Spline を使ったドリー)
- Timelineと組み合わせてカットシーンを作る
TPSの追従カメラ、2Dの横スクロール、イベントシーンのカメラワークなど、よくある用途はほぼこれで作れます。2Dで画面の外を映さないようにする方法は、こちらの記事で紹介しています。
Cinemachineだけだと手間がかかること
いっぽうで、次のような用途は自分でスクリプトを書く部分が多くなります。
- スマホのピンチ操作でズーム、ドラッグでマップをスクロールする操作
- 敵をロックオンして、敵とプレイヤーの両方を画面に収める戦闘カメラ
- 2Dゲーム特有の「先読み」「部屋ごとのカメラ」「横スクロールの境界」などの細かい挙動
- 揺れだけでなく、ヒットストップや画面フラッシュまで含めた「手ごたえ」の演出
こうした部分を短時間で仕上げたいときに、有料のカメラアセットが役に立ちます。
カメラ制御アセットを選ぶ3つのポイント
- ゲームの視点:2D・TPS(三人称)・見下ろし型(ストラテジーやシミュレーション)のどれか
- 操作するデバイス:キーボードとマウス、ゲームパッド、スマホのタッチ操作のどれが中心か
- 対応バージョンと更新日:使っているUnityのバージョンに対応しているか、最近も更新されているか
カメラのアセットはUnityのバージョンアップの影響を受けやすいジャンルです。購入前に、ストアページの対応Unityバージョンと最終更新日を必ず確認しましょう。
おすすめカメラ制御アセット5選
ここからは、Cinemachineと組み合わせたり、置き換えたりして使えるアセットを紹介します。
1. First Person + Third Person | Character Controllers(無料)
特徴: Unity公式の「Starter Assets」です。一人称と三人称のキャラクター操作と、Cinemachineを使ったカメラがセットになっています。
- Cinemachineで作られた追従カメラの「完成形の見本」として使える
- キャラクターの移動・ジャンプ・カメラ操作がすぐに動く
- Input Systemを使った入力の作り方も参考になる
こんな人におすすめ: Cinemachineの設定のしかたを、実際に動くサンプルから学びたい人。
注意点: ストアページではURP向けとして案内されています。Built-inのプロジェクトで使う場合は、マテリアルの見た目が変わることがあります。
2. Pro Camera 2D(有料)
特徴: 2D・2.5Dゲームのカメラに特化したアセットです。Asset Storeのレビュー数がとても多く、2Dカメラの定番と言える存在です。
- 複数のキャラクターを同時に画面に収める追従ができる
- 進行方向を先読みしてカメラをずらす、部屋ごとにカメラを区切るなど、2Dならではの機能が多い
- 機能が「拡張」として分かれていて、必要なものだけを足して使える
- ストアページでは Unity 2022.3 と Unity 6 への対応が記載されている
こんな人におすすめ: 横スクロールのアクションやメトロイドヴァニアなど、カメラの気持ちよさが大事な2Dゲームを作る人。
注意点: 3Dゲームには向きません。シンプルな2Dゲームなら、まずはCinemachineの2D設定で足りるかを試してからでも遅くないと思います。
3. Third Person Camera with Lock On(有料)
特徴: 三人称視点のカメラに、敵をロックオンする機能を加えたアセットです。アクションRPGのような戦闘カメラを作りたいときに候補になります。
- プレイヤーの周りを回り込む三人称カメラ
- ターゲットをロックオンして、敵の方向にカメラを向け続けられる
- カメラ専用のアセットなので、自分のキャラクター操作と組み合わせやすい
こんな人におすすめ: 「敵を注視しながら戦う」タイプの3Dアクションを作りたい人。
注意点: レビュー数はまだ少なめで、更新も頻繁ではありません。購入前にストアページで最新の対応バージョンとレビューを確認しておくと安心です。
4. Mobile Touch Camera(有料)
特徴: スマホのタッチ操作でカメラを動かすためのアセットです。ストラテジーや街づくり、ボードゲームのようなマップを見渡すゲームと相性が良いです。
- ドラッグでスクロール、ピンチでズーム、2本指で回転といった操作をまとめて実装できる
- カメラが動ける範囲を制限できる
- タップでマップ上のオブジェクトを選択する仕組みもついている
こんな人におすすめ: スマホ向けの見下ろし型ゲームを作る人。タッチ操作の細かい調整を自作するのは意外と大変なので、時間の節約になります。
注意点: キャラクターを追いかけるタイプのカメラではありません。PC向けのゲームが中心なら、Cinemachineで作ったほうが早い場合もあります。
5. Feel(有料)
特徴: More Mountains製の、ゲームの「手ごたえ」を作るためのアセットです。カメラ専用ではありませんが、画面の揺れやズームなどカメラ演出の機能が充実しています。
- 画面の揺れ、ズーム、画面のフラッシュなどをインスペクターから組み合わせられる
- ヒットストップや効果音、パーティクルなど、カメラ以外の演出も同時に鳴らせる
- Cinemachineと組み合わせて使う仕組みも用意されている
こんな人におすすめ: 攻撃が当たったときや爆発のときの「気持ちよさ」をしっかり作り込みたい人。
注意点: 画面を揺らしたいだけなら機能が多すぎるかもしれません。揺れだけが欲しい場合は、Cinemachineの Impulse や、無料の「Smooth Camera Shaker」で試してみるのも一つの手です。
Cinemachineと5つのアセットを比較
| 名前 | 得意な視点 | 主な用途 | 価格の目安 |
|---|---|---|---|
| Cinemachine | 2D・3Dすべて | 追従・切り替え・カットシーン | 無料(Package Manager) |
| First Person + Third Person | 一人称・三人称 | Cinemachineの見本・試作 | 無料 |
| Pro Camera 2D | 2D・2.5D | 2Dアクションのカメラ全般 | 有料 |
| Third Person Camera with Lock On | 三人称 | ロックオンのある戦闘 | 有料 |
| Mobile Touch Camera | 見下ろし型 | スマホのタッチ操作 | 有料 |
| Feel | 2D・3Dすべて | 揺れ・ヒットストップなどの演出 | 有料 |
※価格はセールなどで変わるため、最新の価格は各ストアページで確認してください。
カメラアセットを入れるときの注意点
- カメラを動かすスクリプトは1つにまとめる:Cinemachineと別のカメラアセットが同じカメラを同時に動かすと、カメラが震えたり、思った位置に止まらなかったりします。
- Cinemachineのバージョンを確認する:アセットによっては Cinemachine 2 系を前提にしているものがあります。3 系のプロジェクトに入れるとエラーになることがあるので、説明文の対応バージョンを見ておきましょう。
- 入力の方式をそろえる:古い Input Manager 向けのアセットと、新しい Input System 向けのアセットが混ざると、操作が効かない原因になります。
アセットを入れる前には、プロジェクトのバックアップを取っておくと安心です。安全な導入手順はこちらの記事でまとめています。
どれを選べばいい?目的別のおすすめ
- まずは無料で始めたい → Cinemachine(使い方の見本として First Person + Third Person)
- 2Dアクションのカメラを作り込みたい → Pro Camera 2D
- ロックオンのある3Dアクションを作りたい → Third Person Camera with Lock On
- スマホでマップを動かすゲームを作りたい → Mobile Touch Camera
- 攻撃や爆発の演出を気持ちよくしたい → Feel
仕組みを理解するために、まずはシンプルな追従カメラを自分で書いてみるのも良い練習になります。線形補間を使ったなめらかな追従は、こちらで紹介しています。
有料アセットはセール時期に買うのがお得
今回紹介した Pro Camera 2D や Feel は、レビューの多い人気アセットです。こうした人気アセットは、Unity Asset Storeの大型セールで割引の対象になることがよくあります。
今すぐ必要でなければ、Cinemachineで試作を進めつつ、セールのタイミングで買い足すのがおすすめです。開催中・開催予定のセール情報は、こちらの記事で毎月更新しています。
まとめ
Unityのカメラ制御は、まず無料のCinemachineで基本を作るのが近道です。追従・切り替え・揺れ・カットシーンまで、多くのことがCinemachineだけでできます。
そのうえで、2Dの細かいカメラワーク、ロックオン、スマホのタッチ操作、演出の作り込みなど「Cinemachineだけだと手間がかかる部分」が出てきたら、有料アセットを足すと開発がぐっと楽になります。
自分のゲームの視点と操作方法に合ったものを選んでみてください。有料アセットを買うときは、セール情報もあわせて確認してみてくださいね。






