先に結論を書いておきます。Unityのセーブ機能をアセットに任せるなら、迷ったときは定番の Easy Save、お金をかけずに始めたいなら無料の ESave か Save Manager | CG が候補になります。
この記事では、Unity Asset Store で買えるセーブ・ロード用のアセットを5本選び、2026年10月時点の価格、最終更新日、暗号化やWebGLへの対応を並べて比べます。自作のセーブ(PlayerPrefs や JSON)で足りる場面と、アセットを入れたほうが早い場面の境目もあわせて整理しました。
セーブ以外の定番アセットもまとめて見ておきたい人は、こちらの40選も参考にどうぞ。
セーブ機能は自作とアセット、どっちがいい?
小さなゲームなら、セーブは自作でも十分に作れます。ハイスコアや音量の設定だけなら PlayerPrefs で数行。所持アイテムやステージの進行状況のようにまとまったデータは、クラスを JsonUtility で文字列にしてファイルに書き出す方法がよく使われますね。
ただ、作り込むほど手間が増えていくのがセーブの怖いところです。たとえば次のような要望が出てきた時点で、自作のコードは一気にふくらみます。
- セーブスロットを3つ作って、プレイヤーが選べるようにしたい
- セーブデータを書き換えられないように暗号化したい
- Dictionary や GameObject への参照も保存したい
- WebGL やスマホでも同じコードで動かしたい
JsonUtility は Dictionary をそのまま扱えませんし、シーン上のオブジェクトへの参照は保存できません。PlayerPrefs は Windows ではレジストリに書き込まれるため、大きなデータの置き場所には向かないんです。
こうした「セーブまわりの面倒」をまとめて引き受けてくれるのがセーブ系アセット。自作する場合の手順は、このブログの別記事で PlayerPrefs・JSON・Easy Save の3通りを紹介しています。
JSONでのセーブ・ロードをコード付きで確かめたい人は、JSONを使ったセーブ・ロードの記事から読むと流れがつかみやすいと思います。
セーブアセットを選ぶときに見る4つのポイント
1. 出したいプラットフォームで動くか
いちばん先に見てほしいのがここ。セーブはファイルの書き込み先が機種ごとに違うため、PCでは動いたのにWebGLやスマホでは保存されない、ということが起こります。ストアの説明に「WebGL」「Android」「iOS」と明記されているかを確認しておきましょう。後で紹介する ESave Pro のように、説明文で「WebGL以外」と断っているものもあります。
2. 保存できるデータの種類
int や string だけでなく、Vector3、Transform、自作のクラス、List、Dictionary まで保存できるかどうか。アセットによって差が大きい部分です。RPGのようにデータの種類が多いゲームほど、ここが広いアセットを選ぶと後が楽になります。
3. 暗号化とバックアップ
オンラインのランキングや課金要素があるなら、セーブデータの改造対策は欠かせません。多くのセーブアセットは AES という方式での暗号化に対応しています。加えて、書き込みの途中でアプリが落ちたときにデータが壊れないよう、バックアップの仕組みがあると安心感が違います。
4. 最終更新日とUnityのバージョン
セーブデータは、ゲームを公開した後も何年も読み込まれ続けます。開発が止まったアセットに頼ると、Unityを新しくしたときに直してもらえないかもしれません。ストアページの「最新リリース」の日付と、互換性の欄にあるUnityのバージョンは必ず見ておきたいところです。
Unityのセーブアセットおすすめ5選
価格はUSD、評価と更新日は2026年10月時点のストア表示です。無料の2本から順に、有料の3本へと進めます。
1. ESave – Save System for Unity(無料で暗号化まで)
Esper Code が無料で公開しているセーブアセットです。評価は12件で星5、最新版 1.2.1 は2026年8月の公開で、互換性の欄は Unity 6000.3 になっています。
ストアの説明によると、シリアライズできる型なら1行のコードで保存でき、Unity では本来そのまま保存できない Vector、Quaternion、Color、Transform にも回避策が用意されています。セーブの数に上限がなく、プレイ中にプレイヤーが新しいセーブを作ったり消したりすることも可能。AES での暗号化や、大きなファイルを裏で読み書きする機能まで無料で付いてくるのはうれしいところです。
向いている人: まずはお金をかけずに、スロット付きのセーブと暗号化を入れてみたい人。Unity 6 で新しく作り始めたプロジェクト。
気をつけたい点: 上位版の ESave Pro(15ドル)は、無料版とAPIがかなり違うと説明されています。あとで乗り換える可能性があるなら、最初から Pro のドキュメントにも目を通しておくと書き直しが減りますね。なお Pro の説明には「WebGL以外の全プラットフォームで動く」とあるので、ブラウザ向けのゲームでは注意してください。
2. Save Manager | CG(エディタ上でセーブを編集できる)
Carter Games の無料アセットで、ScriptableObject(Unityのデータ用アセット)を土台にしたセーブの仕組みです。評価は6件で星5。2026年8月に 3.0.9 が出ていて、今も手が入っています。
いちばんの特徴は、セーブの中身を Unity エディタの専用画面で見たり書き換えたりできること。「レベル10の状態からテストしたい」といったときに、わざわざ遊んで進めなくて済みます。保存する値は ScriptableObject に足したり外したりするだけで、ソースはオープンソースとして公開中。WebGL を含む全プラットフォームに対応すると書かれています。
向いている人: インスペクターでデータを管理するのが好きな人。テストプレイのたびにセーブを作り直すのが面倒な人。
気をつけたい点: Newtonsoft Json に依存しているので、Package Manager から com.unity.nuget.newtonsoft-json を入れる必要があります。互換性の欄は Unity 2022.3 で、Unity 6 での動作は説明文に書かれていません。導入前にプロジェクトのバックアップを取ってから試すのが無難です。
3. Easy Save(迷ったらこれ、の定番)
Moodkie の Easy Save は、2011年からストアで売られ続けているセーブアセットの定番です。評価は1,038件で星5、価格は59ドル。最新版 3.5.27 は2026年7月公開で、更新履歴には Unity 6.5 向けの対応も載っています。
使い方はとてもシンプルで、保存は ES3.Save("キー", 値)、読み込みは ES3.Load<型>("キー") の2行が基本。コードを書かずにインスペクターで設定する Auto Save も用意されています。保存できる型は、クラス、構造体、GameObject、プレハブのインスタンス、ScriptableObject、List や Dictionary、さらにシーン上のオブジェクトへの参照まで。自作だといちばん苦労する「参照の保存」まで面倒を見てくれるのが、ほかのアセットとの大きな違いです。
ほかにも、暗号化、圧縮(ストアの説明では平均85%小さくなる)、セーブスロット、バックアップ、PHPとMySQLを使ったクラウド保存、CSV形式での書き出しなどがそろっています。対応機種は PC、Mac、Linux、iOS、Android、WebGL など。PlayMaker や Unity Visual Scripting からも使えます。
このブログでも以前、Easy Save でセーブポイントを作る記事を書きました。Transform を読み込むときは ES3.LoadInto を使う、といった実際の書き方はそちらにまとめています。
向いている人: 長く遊ばれるゲームを作る人。セーブの仕組みで悩む時間を、ゲームづくりに回したい人。
気をつけたい点: 59ドルは、セーブ系アセットの中では高い部類です。セールの対象になることもあるので、急ぎでなければ時期を見て買うのも手。また開発元は、更新の前にプロジェクトとセーブデータのバックアップを取るよう呼びかけています。
4. Component Save System(オブジェクトごとに保存)
Lowscope の Component Save System は、15ドル、評価32件で星5。考え方が少し変わっていて、GameObject の根元に「Saveable」というコンポーネントを付けると自動でIDが振られ、そのオブジェクトに付いたスクリプトごとにセーブ処理を書いていく仕組みです。
データはシーンをまたいでもメモリに残り、ディスクに書き込むのはゲーム終了時か SaveMaster.WriteSaveToDisk() を呼んだとき。終了時の保存を切れば、セーブポイント方式のゲームも作れます。床に落としたアイテムの保存、AES暗号化、セーブ時のスクリーンショット保存にも対応しているとのことです。
向いている人: 宝箱の開け閉めや倒した敵など、シーン上のたくさんのオブジェクトの状態を覚えさせたい人。ゼルダ風のアクションや探索ゲームと相性がいいと思います。
気をつけたい点: 最新版 v1.26 の公開は2023年3月で、そこから更新が止まっています。互換性の欄も Unity 2019.4 のまま。Unity 6 で使うなら、レビューの新しい書き込みを読み、無料の旧版で動きを確かめてから買うと失敗しにくいはずです。
5. Ultimate Save And Load(PlayerPrefs感覚で使える)
IntenseNation の Ultimate Save And Load は4.99ドル。ストアでは「PlayerPrefs の代わりになる、手軽で速いセーブ」と紹介されています。評価は4件で星5、最新版 2.0.1 は2025年5月の公開です。
書き方は SaveAndLoad.SaveInt(キー, 値) のように PlayerPrefs とほぼ同じ形。保存先のファイル名を切り替えるだけでプロフィール(セーブスロット)を分けられ、データをバイト配列に変換できるのでクラウドサービスへのアップロードにもつなげられます。物理演算で建物を組むゲームで、大量のオブジェクトを保存する用途に使われてきたと説明されていますね。
向いている人: PlayerPrefs で作ったセーブを、なるべく書き方を変えずにファイル保存へ移したい人。
気をつけたい点: 評価の数がまだ少なく、日本語の情報もほとんど見当たりません。ドキュメントを読みながら自分で調べられる人向けです。
セーブアセット5本の比較表
| アセット | 価格 | 最終更新 | 得意なこと |
|---|---|---|---|
| ESave | 無料 | 2026年8月 | 無料で暗号化・スロット |
| Save Manager | CG | 無料 | 2026年8月 | エディタでセーブを編集 |
| Easy Save | 59ドル | 2026年7月 | 参照の保存・クラウド・WebGL |
| Component Save System | 15ドル | 2023年3月 | オブジェクトごとの保存 |
| Ultimate Save And Load | 4.99ドル | 2025年5月 | PlayerPrefsに近い書き方 |
※価格・更新日は2026年10月時点のUnity Asset Storeの表示です。
目的別のおすすめはこの組み合わせ
- とにかく無料で試したい → ESave
- テストのためにセーブを直接いじりたい → Save Manager | CG
- WebGLも含めて長く使える1本がほしい → Easy Save
- 宝箱や敵など、シーン内の状態を細かく覚えさせたい → Component Save System
- PlayerPrefsの書き方のまま乗り換えたい → Ultimate Save And Load
個人的には、最初の1本を作っている段階なら無料の ESave で十分だと思います。セーブの仕組みに慣れてきて、WebGL版を出したい、参照も保存したい、となったときが Easy Save の出番。セーブは後から差し替えるとデータの互換性で苦労するので、公開前に使うアセットを決めておくことだけは意識しておきたいですね。
インベントリのように、セーブとつながる仕組みをアセットで入れる予定があるなら、そちらが持っているセーブ機能とぶつからないかも見ておきましょう。インベントリ系のアセットはインベントリアセットの選び方と比較で取り上げています。
有料のセーブアセットはセールで買うのがお得
Easy Save のような有料アセットは、Asset Store のセールで値下がりすることがあります。セーブの仕組みはゲームの完成が近づいてから必要になることも多いので、今すぐ必要でなければ、次のセールまで待つのも賢い選び方です。
毎月のセールの内容は、このブログでまとめて更新しています。
まとめ:セーブアセットは「出す先」と「更新の続き具合」で選ぶ
セーブは地味ですが、ゲームを公開した後もずっと付き合う仕組みです。選ぶときは、出したいプラットフォームで動くか、保存したいデータの種類に対応しているか、そして開発が続いているかの3つを見てください。
無料で始めるなら ESave か Save Manager | CG、腰を据えて1本に決めるなら Easy Save。オブジェクトの状態を細かく覚えさせたいなら Component Save System も候補に入ります。
有料アセットを少しでも安く買いたい人は、今月のAsset Storeセール情報もチェックしてみてください。






