Unity初心者が必ずハマる設計の落とし穴
Unityでゲームを作り始めると、多くの人がこうなります。

「とりあえずMonoBehaviourに全部書けば動くし、問題なくない?」
結論から言うと、最初は動くけど、必ず後で詰みます。
この記事では、
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なぜMonoBehaviourに書きすぎてはいけないのか
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実際に何が困るのか
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初心者でもできる改善方法
等々紹介していきたいと思います。
よくあるMonoBehaviour地獄の例
まずは典型的な失敗例です。
一見すると問題なさそうですが、
この時点ですでに危険信号が出ています。
理由①:責務が多すぎて「何をするクラスか分からない」
Playerクラスがやっていることを整理すると
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入力処理
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移動処理
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攻撃処理
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HP管理
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セーブ
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サウンド再生
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UI更新
と多すぎます。
何が問題?
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クラス名と中身が一致しない
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修正時に「どこを触ればいいか分からない」
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機能追加が怖くなる
これはプログラミングでいう責務過多状態です。
理由②:再利用できないコードになる
例えば敵キャラを作りたくなったとします。

「Playerの攻撃処理、Enemyでも使いたいな・・・」
でも、
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Player専用の変数
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UI更新が混ざっている
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入力処理が直書き
こうなっていると流用できません。
結果として
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コピペする
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少し直す
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バグる
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さらにコピペ
と、地獄の始まりになりかねません。
理由③:テスト・修正が極端にしづらい
MonoBehaviourはUnityに強く依存しています。
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Update()
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GameObject
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Transform
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SerializeField
そのため、
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ロジック単体で確認できない
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バグの原因を切り分けられない
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変更が連鎖的に壊れる
「少し直しただけなのに別の挙動が壊れた」という経験、ありませんか?
理由④:Update地獄に陥る
MonoBehaviourに書きすぎる人の多くがこうなります。
void Update()
{
// 毎フレーム必要ない処理
CheckSave();
UpdateUI();
SearchEnemy();
}
問題点
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毎フレーム実行される必要がない
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パフォーマンス低下
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どこが重いのか分からない
「とりあえずUpdate」思考が生まれる
じゃあどう書けばいいの?
基本原則:MonoBehaviourは「つなぎ役」
MonoBehaviourは、
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Unityとの接点
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入力・イベントの受け口
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初期化・更新の管理
だけを担当させます。
処理の中身は別クラスへ
改善例:ロジックを分離する
悪い例(全部MonoBehaviour)
良い例(ロジック分離)
こうなると何が良い?
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PlayerHPはUnityに依存しない
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テストしやすい
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他キャラにも使える
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修正が安全
初心者向け:最低限これだけ守ればOK
いきなり完璧を目指す必要はありません。
まず意識すること
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MonoBehaviour = 管理・接続役
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計算・判定・ルール = 普通のクラス
分ける目安
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「これはUnityじゃなくても動く?」
→ YESなら別クラス
よくある勘違い
「初心者には難しすぎる」
むしろ後から直す方が100倍大変
「小規模だから大丈夫」
→ 小規模でも確実に汚れる
「動いてるからOK」
→ 動く ≠ 正しい設計
まとめ
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MonoBehaviourに書きすぎると
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クラスが肥大化する
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再利用できない
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修正が怖くなる
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Update地獄に陥る
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MonoBehaviourは「つなぎ役」
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ロジックは普通のC#クラスへ

